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2011年9月21日

地球の論点 ―― 現実的な環境主義者のマニフェスト

私は、脱原発派ですが、原発推進の論理は何処ら辺にあるのかを知りたくて、池田信夫氏推薦のスチュアート・ブランドの本を読んでみました。

若き日のスティーブ・ジョブズが熱狂して読んだ伝説の雑誌
ホール・アース・カタログ発行人が描く、地球の「グランドデザイン」。

都市化、貧困、エネルギー、遺伝子組替、環境操作などの一筋縄ではいかない「論点」を、
文化人類学に経済学や生物学、地球科学まで幅広い知見を織り込み、俯瞰的に見て歯切れよく論じる。

【ホール・アース・カタログ(Whole Earth Catalog】
スチュアート・ブランドが1968年に創刊。
世界中に大きな影響を与えた伝説的カルチャー誌として、
全米150万部のベストセラーを誇った。
1972年には全米図書賞を受賞し、カウンター・
カルチャーを牽引する、バイブル的存在だった。


やはりジョブスが熱狂したというのはわかります。
主な内容は、テクノロジー礼讃。

都市に関する様々な見解は、とても面白かった。
農村が都市を作ったのではなく、都市が農村を需要にあわせて発展させている。
といった考え方は、なかなか目からウロコでした。

都市が崩壊した場合、農村に行けば生き残れるようにも思えますが、
歴史上、都市が崩壊すると農村も崩壊に向かうということです。
つまり農村が都市を支えているのではなく、都市が農村を支えている。

遺伝子組み換え食品も、多くの場合、飢餓に苦しむ人達を救う食糧問題を解決に向かわせる大きな力になる可能性があります。
(もちろんそれが長い目で見たときに有効な解決方法なのかは分かりません)

私も、テクノロジー大好きなので、ここに書かれている事はわからないではないです。
ただ、問題は「第4章 新しい原子力 」。

原子力発電所は、事故さえ起きなければ、クリーンなエネルギーと言えなくもないですが、スチュアート・ブランドは、地震や津波、火山の間に住んでいる民族の事にそれほど意識はないだろうと思います。

アメリカや他の国がクリーンと思って原発を導入することにまで文句はないですが、日本は原発を導入するべき国ではなかった。

もう一つ気になる点は、テクノロジーがもたらす結果に対して、少し楽観的すぎないかなと思う点。

ただ、テクノロジーの発展の議論と、それを扱う側の問題はかなり違っていて、この本は前者の発展が後者すらも解決してしまうといった幻想に陥っているように思う。

テクノロジーは社会の有り様を大きく変えるのは間違い無いですが、それが常にコントロール可能なものと錯覚してしまっているんじゃないか。

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